ロサンゼルス・マラソン 体験記2009

LAマラソンとは?募集要項取り扱い旅行会社

体験記 >2012 >2011 >2010 >2009 >2008 >2007

 

モニターランナー:岡田真由美さん

2008 年11月2日(日)、会社の先輩に誘われて参加したLAマラソン親善ランで、私は幸運にもLAマラソンのモニターランナーに選ばれました。マラソン仲間からはたいそう羨ましがられましたが、それまで最長5㎞しか走ったことのない私には、8倍の42.195㎞は全く想像のつかない世界に思えました。

だって、フルマラソンですよ。国際マラソンの中継を見ているだけで気分的に疲れてくる自分が走るだなんてそんな・・・と怯えていましたが、ベースボールマガジン社の樋口さんが「5㎞を30分で走れているなら十分。ひと月150㎞走る練習すれば大丈夫」と言って下さり、俄然、「この人生またとないであろう幸運を思いっきり楽しんでしまおう」とやる気が出てきました。

それから約7ヶ月後の2009年5月23日(土)、ついについに、ロサンゼルスにやってきてしまいました。雲一つない青い空、カラッと乾燥して過ごしやすい気候、ヤシの木、陽気な人々。修学旅行以外で海外に行ったことのない私には何もかもが珍しく、テンションがグイグイ上がります。ホテルについて、もう一人のモニターランナーの山本さんと昼食がてらダウンタウン散策に出かけました。レストランでは一人分を二人で分けることにしましたが、その量の多さにビックリ。

そして夕方から他のマラソン参加者と一緒に軽いジョグ&ストレッチです。普段の自分一人の練習ではしない不思議な体勢で走ったり、手をぶんぶん振り回しながら走ったり、芝生の上で靴を脱いでストレッチしたり、9時間のフライトでカチコチになっていた身体がほぐされて、眠気もなくなりとても楽しい時間でした。
夕飯は、マラソン参加者と山倉コーチとHISのスタッフの方と一緒に、現地で有名だというピザ&パスタのお店に行きました。そして次回来店時に使えるクーポン券を貰いました。ここで一日目が終了。

二日目は朝9時から一時間ほど軽いジョグ&ストレッチ。昨日の不思議な動きをしながら円になって走ります。途中から地元の人?数名が加わってビデオ撮影をしながら走りました。LAの人は陽気です。その後、ゼッケンを取りにエキスポ会場へ。会場ではLAマラソンの社長さんと一緒に写真を撮りました。

会場は、スポーツメーカー、試食、試飲スペースや、マラソンウェアのお店が所狭しと出店していて、人で溢れかえっていました。私も人混みに負けじと、グミとジュースを試食、試飲し、サロンパスとポテトチップスを貰ってきました。

エキスポ会場での時間はあっという間に過ぎ、午後は各自自由行動だったため、バスでLACMA(ロサンゼルス郡立美術館)へ行きました。ここは西海岸で最大規模の総合美術館で、国内外問わず25万点以上の芸術作品を収めているのだそうです。中には、パビリオン・フォー・ジャパニーズ・アートという日本の美術品に特化した区画もありました。翌日に控えたフルマラソンのため、体力を使わない観光をしようと選んだはずの美術館でしたが、展示品の数が多すぎて、ふくらはぎがパンパンになってしまいました。夕食は前日訪れたピザ&パスタのお店で、もらったクーポン券を使い10%offにして貰いました。(みみっちい?)ここで二日目が終了。

やって来ました。三日目の5月25日(月)。フルマラソン当日です。山倉コーチは「レーススタートの3時間前には起床した方が良い」とおっしゃっていましたが、私は緊張しすぎて更に30分前の3時50分にはバッチリ目が覚めてしまいました。服装は、サッカニーの爽やかな黄緑色のTシャツにSKINSのパワースリーブとロングタイツ。帽子に紫外線カットのサングラス。見た目だけは完璧です。

天候は曇り。走るには丁度良い気温で、例年のこの時期にしては「異常気象」と言えるくらい涼しかったようです。今にして思えば、マラソン参加者と歩いてスタート地点に向かっている時が一番不安と緊張で、心臓が早鐘のように鳴っていました。でもいざ「この先がスタートラインなのであろう」場所に着いたときには、周りの参加者の「楽しむぞ!!」と言った雰囲気と、携帯電話でおしゃべりしながらスタートの合図を待っているリラックスムードな人達を見て、「大丈夫。いつものペースで無理をしなければ絶対ゴール出来る」と落ち着くことができました。

そして7時20分。ついにフルマラソンスタートです。乗りの良い音楽が流れ、徐々に前へ前へ進み出しました。最初数分はのろのろ歩きです。となりでHISツアー参加の高橋兄弟が目も覚めるようなオレンジ色のTシャツに日の丸の鉢巻きを付け、更に鉢巻きに日の丸の旗を刺して「ジャパーン!!ジャパーン!!」と雄叫びを上げながら、沿道の応援が盛り上がっている方へジグザクに進んでいました。彼らはそのままのテンションでゴールしたそうです。

それはさておき、スタートライン付近から徐々に走り出し、遂に42.195㎞の長旅に漕ぎ出しました。目標タイムは6時間30分。日本で練習していたときは、1㎞7分弱が一番疲れない速度だったので、最初のうちは1Mileを11分15秒前後で通過するように走りました。

しかし、走り出して直ぐにトイレに行きたくなってしまいました。簡易トイレは1Mileごとにありましたが、1Mileから3Mile付近はトイレ待ちの人が多かったので、割と少なめだった4Mile付近で行きました。スッキリして再スタートを切り、暫くは沿道の応援を眺めながら順調に走っていました。沿道の応援は、あらかじめ聞いていたとおりもの凄いテンションでした。だんだん疲れてくる10㎞付近で「YOU ARE HEROES」のプラカードを見た時はふつふつとまた元気が出てきて、「勇気づけられるってこういうことなんだな」と実感しました。

途中、飼い主と一緒に走っているチワワも見かけました。チワワは、確か前足の関節が弱いからドックショーに出るような仔以外は散歩も15分程度が良いと聞いたことがあったので、身体に悪くないか心配しましたが、時々抱っこされながら最後は自力でゴールしたようです。

7Mile 付近で1回目のエナジージェル補給をしました。私は水やゲータレードは走りながら飲むと鼻に入るので歩きながらでないと飲めませんが、エナジージェルは鼻でフーフー息をして、走りながら飲めました。初めての感覚で「何かスポーツマンっぽい」と思って楽しくなり、12Mile通過時点では、このまま最後まで走って行けそうな気がしました。

でも、フルマラソン経験者は皆言いますよね。「30㎞の壁」。情けないことに、私はそれがハーフ通過時点でやって来ました。どうやら11Mileを通過してから現れ始めた「緩やかな上り坂」で脚が疲れてしまったようです。そこからは、目標タイムでゴールするために、歩きも交えながら出来るだけ前へ前へ、決して立ち止まることだけはすまい、と足を進めました。それから、①坂道は早歩き。②下り坂は走る。③Mile表示通過後3分は走る。行けそうならもっと走る。④道端の放水は全箇所浴びる。というmyルールを勝手に作りました。

そうしたら1Mileを13分から15分で通過するようになりました。事前にもっと練習していれば全部走れたかもしれないのに、と思うと情けなくなり気持ちも凹みましたが、周りの同じように歩いている人や、「歩いてもいいからゴールして」と書いてあるプラカード、そして再び見かけた頑張るチワワに勇気づけられました。

ゴールを目指して一心不乱に高級住宅街を抜け、コリアンタウンを抜け、間に色々な風景はありましたが、もう何がなにやら、遠くにダウンタウンのビル街が見えてからは、目線はずっとそこに当てたまま、前へ前へと足を運びました。そしてマイル表示の数字がどんどん大きくなるのを信じられない思いで見つめていました。だって私が「壁」と感じたのは13Mileですよ。それが気づいたら25Mile表示が目前なのです。その辺りから「あと1Mile」という沿道の声援が多くなり、まだゴールもしていないのに「ようやくここまで来た!!」と嬉しくなりました。

25Mile を過ぎてしばらくすると、遠くから和太鼓の音がしてきました。ドンドンとお腹に響く音を聞いていると不思議なことに、自分でもビックリする程元気になり、脚の痛みも吹き飛び、元のペースで走れるようになりました。和太鼓は大和魂に火を付けるのでしょうか。太鼓の音に背中を押されながら左折をすると、あとはゴールまで一直線です。緩やかな上り坂も何のその、放水だけはちゃっかり浴びつつ26Mileを通過し、あとはもうFinishラインを目指すのみ。見るとFinishラインにあるデジタル時計は5時間44分数秒でした。なんとか45分になる前にゴールしたいと思い最後の力を振り絞って5時間44分52秒でゴールしました。チップタイムでは5時間37分31秒です。

ゴール後は道端に倒れ込むかと思いきや、意外に元気。あんなに痛かった脚も張っている感じと疲労感はあるものの痛みはありませんでした。前日、前々日に行ったジョグ&ストレッチのお陰で身体の動きが補正され、走る時に無駄な動きをしなくなったのが良かったのだと思いました。あと、山倉コーチに教えられたとおり、「視線は高く。上半身は頭が糸でつり上げられている感じで姿勢正しく」を意識して走ったのも良かったのだと思います。むしろ痛いのは、指の水ぶくれでした。ワセリン塗り足りなかったのでしょうか。

ゴール後、完走メダルをもらい、バナナを食べながらFinishラインを振り返るとまだまだたくさんの人がゴールしていました。次々とゴールする人々を眺めていたら、ふつふつとゴール出来た実感と喜びが湧いてきて、あんなに苦しい苦しいと思っていたのが嘘のように、「楽しい時間だった。また走りたい」と思いました。どんなに苦しくても、あきらめず前に進めば必ずゴールすることが出来る。またゴールした時の達成感が素晴らしいから、次も頑張ろう、もっと頑張ろうと思える。マラソンとは何と素晴らしいスポーツであることかと思いました。そして人生初のフルマラソンが、走ることも応援することも「力一杯楽しむ」ロサンゼルスマラソンであることを本当に幸せに思い、あの時LAマラソン親善ランに誘ってくれた先輩に感謝しました。

四日目。5月26日(火)もう帰国するのみとなってしまいました。4日間、あっと言う間に過ぎてしまい、今から23日に戻りたいとさえ感じました。ロサンゼルス空港でチョコや牛と豚のジャーキーを買い、成田空港で牛ジャーキーを没収されると言う土産話も一つ増やし、私の人生で一番の冒険の旅は終わりました。

帰国して数日経ち、今頃旅の疲れがドッと襲ってきますが、これもあの夢のような時間が現実のものだったという証拠です。この度の夢のようなモニターツアーでは、HISスタッフの方々、山倉コーチ、ロサンゼルス観光局の方、色々な方にお世話になりました。本当にありがとうございました。くどいですが、LAで過ごした4日間は本当に楽しい時間で、英会話も持久力も、もっと修行してまたロサンゼルス マラソンに参加したいと思いました。

> NEXT 

 

LA
NEWSLETTER
Get your free monthly email newsletter.