世界で最も多様性に富んだ都市のひとつロサンゼルス。進化し続けるLAのダイニングシーンは、昔なつかしい食堂からミシュランの星を獲得した高級レストランなど、何世代にもわたって受け継がれています。観光客でも、LAのローカルでも、ロサンゼルスで世界各国の料理を楽しむには、街のフードホールやマーケットを巡るのが一番。ランドマークから最近の人気スポットなど、パスポート不要の世界一周グルメ旅行に出かけましょう!
メルカド・ラ・パロマ
LA南部、活気あるフィゲロア・コリドーにあるメルカド・ラ・パロマは、よくあるフードホールではありません。非営利団体エスペランサ・コミュニティ・ハウジング・コーポレーションによって設立され、コミュニティセンターでは、手頃な価格のお店や、起業資金や支援(公衆衛生のドロップバイ・クリニックであるエスペラン・サルード)、地元のアーティストの支援や展示、ライブパフォーマンス、映画上映などのカルチャーイベントを提供しています。
国内屈指のユカタン風レストランとして有名なチチェン・イッツァは、2001年にセティナ家によってオープンしました。 両親の引退後、ジルベルト・シニア、ブランカ、ジルベルト・ジュニアは、妻のマリッサとともにお店を引き継いでいます。
2017年、セティーナはメキシコ沿岸地域のシーフードをメインに、ソーカルとバハ・カリフォルニアの食材を使った「ホルボックス」をオープンしました。ホルボックスはミシュランのビブグルマンに何度も選ばれ、LAタイムズ紙の2023年のレストラン・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど、高い評価を得ています。活ウニとホタテのセビーチェと、燻製カンパチのトスターダは必食。活きたサンタ・バーバラ産の伊勢海老を、コリアンダー・ライス、黒豆、アボ、ピコ、手作りのトルティーヤと一緒に食るランゴスタ・アル・カーボンは絶品です。
批評家やSNSで人気のホルボックスとチチェン・イッツァや、タケリア・ビスタ・エルモサのタコス・アル・パストール、オアハカリフォルニアのトルタ・オアハケニャも要チェック。メルカドにいる間は、アルテセニアス・オアハセナスやシフサヒルでハンドメイド作品を買うこともできます。
グランド・セントラル・マーケット
ロサンゼルスのフードホールといえば、アイコン的存在のグランド・セントラル・マーケットが有名ですね。1917年以来、ローカルや観光客で賑わっています。
「ラ・ラ・ランド」でおなじみのサリタズ・ププセリア(Sarita's Pupuseria)、チャイナ・カフェ(China Café)、ロースト・トゥー・ゴー(Roast To Go)、タコス・トゥンブラス・ア・トマス(Tacos Tumbras A Tomas)など、バラエティ豊かな屋台が軒を連ねています。最近では、ザ・ドーナツマン(The Donut Man)、エッグスラット(Eggslut)、ニード(Knead)、サリサリストア(Sari Sari Store)、ワックスラーのデリ(Wexler's Deli)などが人気です。その他、ザ・オイスターグルメ(The Oyster Gourmet)やブロード・ストリート・オイスター・カンパニー(Broad Street Oyster Co)でシーフードを堪能したり、マクネルのアイスクリーム(McConnell's Fine Ice Creams)やラ・フータ・キャンディ(La Huerta Candy)のスイーツもオススメです。
伝説の仲買店トレス・プロデュース(Torres Produce)の新鮮な果物、野菜、飲み物や、ベラリーズ(Valeria's)でラテン系の乾物もチェックしてみましょう。
テイスト・フード・ホール - FIGAT7TH
アウトドア・ショッピングセンター、FIGat7thの下層階にあるテイスト・フード・ホールでは、人気のハンバーガーチェーン店、ファイブ・ガイズ(Five Guys)や、ロサンゼルス発祥のオリジナル店、インダス・バイ・サフラン(Indus by Saffron)、ニュー・ムーン・カフェ(New Moon Café)、ツイスト・アンド・グリル(Twist & Grill)などが多彩な店を構えています。
コリアン・タウンで有名なレストラン、パークのBBQ(Parks BBQ)は、カルビ、プルコギ、エビ、豆腐、ご飯、麺、青菜など、自分のボウルを作って楽しむことができます。
コーポレーションフードホール
2017年8月、1915年築のコーポレーション・ビルディングの1階にオープンした、コーポレーションフードホール。グランド・セントラル・マーケットの小さい版、LAダウンタウンの中心に位置し、エース(ACE)やフリーハンド(Freehand)などのホテルから歩いてすぐという便利な場所にあります。ブッダ・ベリー(Buddha Belly)の東南アジア料理や、フンクロ(Funculo)の「フリースタイル・パスタ」、アイランド・トゥ・テーブル・パティ・ハット(Island to Table Patty Hut)のジャマイカ料理など、規模は小さめですが、本格的な料理が楽しめます。
スモーガスバーグLA
毎週開催される、LA最大の屋外フード・マーケット、スモーガスバーグ。南カリフォルニアで、今話題の人気フード、ドリンク、ショッピングより厳選された、約100店舗が出店します。毎週日曜日、雨天決行、午前10時から午後4時までROW DTLA( ロウ ディーティーエルエー )で開催。参加無料、年齢制限はありません。(ペットはご遠慮ください)
アボカドママ(Avocadamama)、セナ・ビーガン(Cena Vegan)、チャンピオン・イーツ(Champignon Eats)、ドーナツ・フレンド(Donut Friend)、ハッピー・アイス( Happy Ice)、マン・イーティング・プラント(ManEatingPlant)、セニョリータ(Señoreata)など、ビーガンフードの屋台が入れ替わり出店します。
特別イベントもあるので、スモーガスバーグ・カレンダーも要チェックです。恒例のハリウッド・ボウル・デーでは「ボウル」テーマのおしゃれな景品が用意されます。
オリジナル・ファーマーズ・マーケット
長年ロサンゼルスに住んでいるローカルにとって、「Third and Fairfaxで会いましょう!」というのは、一つの事しか意味しません。ズバリ「オリジナル・ファーマーズ・マーケット(The Original Farmer`s Market)で会いましょう!」ということなのです。 1934年にオープンした老舗のマーケットプレイスである The Original Farmer`s Market は、ロサンゼルスのアイコン的存在としても有名で、これまで アイゼンハワー大統領や、ビートルズ、フランク・シナトラにマリリン・モンローをはじめとする著名人が、数多く訪れていることでも知られています。ジミー・キンメル・ライブ(Jimmy Kimmel Live)やアントラージュ(Entourage)、アルトン・ブラウン(Alton Brown)やゴードン・ラムゼイ(Gordon Ramsay)の料理番組にも何度も登場しています。
スターバックス(Starbucks)や チポトレ(Chipotle)といった人気チェーンも入店していますが、最大の魅力は、バラエティー豊かな商品、そしてメニューを100を超える専門店の数々です。マーケット初の飲食店マギーズ・キッチン(Magee's Kitchen)のように、何十年も家族経営を続けていているお店が多く、長年の常連客が多いのも特徴です。デュパーズ(Du-par's)の有名なバターミルクホットケーキで一日を始めるのもいいし、パンパス・グリル(Pampas Grill)(ブラジル)、シンガポールのバナナ・リーフ(Banana Leaf)、パリスタイルのカフェ、ムッシュ・マルセル・ビストロ(Monsieur Marcel Bistro)など、長年愛されているレストランで世界各国の料理を体験できるのが楽しいですね。
韓国で1,000店舗以上を誇るBHCチキン(BHC Chicken)は、2023年2月、オリジナル・ファーマーズ・マーケットに米国1号店をオープンしました。高名なシェフ、ニール・フレイザーのフィリッジ・コープ(Fritzi Coop)、トレジョーズ・タコス(Trejo's Tacos)、パスタ・コーナー(Pasta Corner)は新世代のファンを惹きつけています。
オリジナル・ファーマーズ・マーケットでは、食品や農産物の販売だけでなく、夏の野外音楽コンサートやセント・パトリックス・デイ、ホリデー・フェスティバルなど、年間を通してイベントを開催しています。最新のイベント情報は、マーケットのカレンダーをチェックしてください。
シチズン・パブリック・マーケット
2020年11月にオープンした、シチズン・パブリック・マーケットは、1929年に建てられたシチズン出版社ビルに入っています。
シチズンに新しく加わった、ナイジェリア出身のシェフのお店トル・エロスのイレ・ビストロ(Ilé Bistro)。2023年3月、ナンシー・シルバートンが経営するPizzetteのスペースにオープンした彼の初の実店舗で、アンダーグラウンドな高級レストランをカジュアルにしたお店です。ライスボウルかスープボウルのどちらかを選び、ベース(Unity Jollof Rice、Spicy Pepper Soup)と、タンパク質(Roasted Chicken、Charred Cauliflower、Blackened Snapper、Grilled Steak)からトッピングを選びます。
もう1つは、2019年にシェフのロバート・リーがオープンした手打ち麺のお店、インスタグラムで人気のバンバン・ヌードル(Bang Bang Noodles)です。リーの特別メニューは陝西風ビャンビャン麺で、注文を受けてから麺を作る最高の一杯です。他に、ピリピリ・クミン・ヌードル(乾麺または麺つゆ付き)、四川ガーリック・ヌードル、西安トマト麺なども人気です。ビーガンオプションもあります。
他にも、グッドボーイ・ボブ(goodboybob)、ゴーゴーバード(Go Go Bird)、ジョリー・オイスター(Jolly Oyster)、魚市場(Uoichiba)、ウェホー・ソーセージ・カンパニー(WEHO Sausage Co. )や、ルーフトップバー「ボヘミアン(Bohémien)」など、パリやニューヨークのカクテルバー、スペインのタパス文化からインスピレーションを得ているお店がたくさんあります。
ザ・プラウド・バード
ロサンゼルス国際空港のアプローチ滑走路のパノラマビューが自慢のザ・プラウド・バードには、有名なブラドゥソーズBBQ(Bludso's BBQ)やアメリカ料理、アジア料理、イタリア料理など世界各国の料理が楽しめるフードバザールがあります。マイルハイ・クラブ・バー&ラウンジでは、航空をテーマにしたカクテルや、搭乗券を見せると終日ドリンクが楽しめる旅行者向けのReLAXハッピーアワーを提供しています。
プラウド・バードは、第二次世界大戦の戦闘機のパイロットで、バーバンクのキャスタウェイ(Castaway)、グラナダヒルズのオデッセイ(Odyssey)、マリーナ・デル・レイのウィスキー・レッズ(Whiskey Red's)などを経営するスペシャリティ・レストランツ・コーポレーションを設立したデビッド・タリシェが1967年にオープンしたのが始まりです。
入口に吊るされたP-40フライング・タイガーのレプリカがゲストをお出迎え。タスキーギ・エアメン、アステカ・イーグルスなど女性飛行士に関する展示や、屋外飛行機パークでは第二次世界大戦時の飛行機が展示されています。無料のガイドツアーも開催されているので、ぜひ参加してみてください。